朝は憂鬱なことが多いが、今日は空を見上げると月が見えた。こういう写真が好きでよく撮っている。
行きつけのバーで働く男子大学生に、最近彼女ができた。僕には彼女ができないので、彼の恋愛話を聞いて気持ちをお裾分けしてもらっている。
彼はまるで太陽のような人だ。「オレは基本ポジティブな人間なんです」自分で言っていた。
ただ、付き合っている彼女はネガティヴな女の子らしい。メンタルを病んだこともあるようで、そのときの話を聞いた彼は今後のことを心配したという。
というのは、「オレの今までの行動が彼女を辛くさせてたかもしれないと考えると、どう接すればいいかわからなくなったんです。どうしたらいいと思いますかね〜?」と。
僕は、「そのままの君であれ」とこたえた。
彼はまるで太陽のような人なのだ。そしてその彼女と僕は同類だろう。ネガティヴな人で、まるで月のような人だと思う。夜の沈静した世界の中で輝く月。朝になると世界は活発になり、昼間の月は奥へ引っ込み存在を消す。
彼は太陽で彼女は月だ。
太陽としての君は、常に一定であることが月にとってはありがたいのではないか。太陽が一定のリズムで存在してくれるから、月は安心して存在できるのだと思う。