仕事や趣味、それから婚活でも意識しているのが「今できることをやる」という気持ち。
そう考えるようになったのはここ最近のこと。それまでは自分にないものを手に入れようとして躍起になり、結局は疲れ果てて結果も出なかったり、思うようにいかないまま終わったりした。
そんなことを繰り返したから、もういいや、今できることだけをやろう、というかそれしかないんだ、って思うようになった。
ただ、「今できることをやる」と考えるようになった根本のきっかけというのは、人生振り返ると思い当たる出来事があった。それが献血であり、骨髄バンクへの登録だった。
初めは献血だった。
あのときは2020年で、会社を辞めたあとだった。学生とかサラリーマンとか、それまでは社会に対する身分証みたいなものがあったのに、無職になったとたん社会から隔離されたように感じた。コロナによる緊急事態宣言があったりして、社会との断絶がさらに際立っていた。
で、自分は働いていない、何者でもない、やりたいこともないし何をして生きていけばいいのかわからない、という気持ちになって、カウンセリングに通った。そんなときにふと心に産まれたのが、生きているだけで社会の一員になれることをしたい、という思いだった。それが献血と結びついた。
2020年から献血をするようになり、今年2024年にはもう少し社会に参加してもいいのではないか、と思うようになって、献血ルームで骨髄バンクへの登録を申し出た。登録は無事完了し、あとはマッチングするのを待つだけだ。
今できることをやる。
この「今できること」というのは、たいていの場合「今しかできないこと」だったりする。骨髄バンクなら登録は54歳までと決まっている。
昨日、会社の忘年会があった。
まだわからないことが多すぎて迷惑をおかけしますが...と話したら、先輩が「それでもいてくれなきゃ困るから助かってる」と言ってくれた。先輩はたぶんそこまで深く考えずにそう言ったのだろうけど、言われた僕としてはとても嬉しかった。
そういう何気ないたったひと言が人の心をグッと軽くすることがあるように、多少の時間と少しの痛みにガマンするだけで、誰かの役に立てることもある。
献血も骨髄バンクも、「今できること」だからやっている。またそれらは、生きているだけで社会の一員になれることをしたい、という気持ちに対する自分なりの答えでもある。生きているだけでできること、でもあるのだ。
まぁそんなことを、日本骨髄バンクから届いた封筒を見ながら思ったりした。