10年先を思い出して。

日々のつなぎ目

3月4日_水たまりになって

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今日みたいな日は、1ヶ月後にはもう今日のような日と混ざって区別がつかなくなるだろう。まるで雨のように1滴ずつ降り落ちて水たまりを作り、でもさっきの1滴はもう他の水と混ざってしまうように。

 

正面に、こちらに背中を向けて座る1人の男性がいる。グレーのニットを着て分厚いメガネをしている。彼は机に置いたスマホを見ながら、ハンバーガーを頬張ることに夢中だ。1分ほど僕がじっと見つめていたけれど、彼はそのことに気づかない。

 

知らないだけで、お互いの人生という世界と世界が混ざり合ってはぶつかり合う。気に入らない者どうしはお互いを無視するし、恋人同士は今夜も互いを見つめ合う。

生きているあいだ、自分の目で見て耳で聞いて、呼吸をしながら眠りにつく。どこかで誰かが消えてしまってもそんなことには気がつかない。先週の今日何を食べたかも思い出せない。我々は何十年か生きてきたかもしれないが、生きていると実感しているのはいつもほんの3日程度なのではないか。

 

今日もくだらない日を過ごした。仕事帰りの珈琲店。

ときどき、自分がここに存在するのか疑問に思うことがある。たぶんこれは以前ブログに書いたに違いない。ときどきじゃなくて、しばしばかもしれない。こんなことばかり考えるので、1滴また1滴と集まって、心に大きな水たまりをつくる。それは黒くて大きな悪魔の口になるかもしれない。あるいは大きな虹を映す鏡になるかもしれない。