
家系ラーメンがうまい。
ニンニクをたっぷりと。次の日も仕事だがかまわない。残業終わりの身体にガツンと1杯。スープも飲み干して。
先日ここのラーメン屋に車椅子のお客さんがいた。
トイレに入ろうとしていたものの、ドアが狭くて車椅子が入らない。結局その人は車椅子を降りて、床に這いつくばるかたちでトイレに入っていった。
思い返してみると、車椅子が入らなさそうなトイレはけっこう多い気がする。健常者は何とも思わないことでも、そうでない人にはものすごくストレスだろう。入店を断られているように感じても無理はない。
一方で、当然のようにラーメンのスープも飲み干せる身体であることもまた、実際には当然のことではないのかもしれない。
世の中は知らないことだらけだ。知っている部分など世界のほんの1%もないのではないか。
ここにいる私はなぜここにいるのか。それもわからない。気づいたときにはここに放り込まれていて、紆余曲折のうちにいずれ消える。消えるときにも、この世界に放り込まれた人たちを横目に見るだろう。入れ替わり立ち替わり。
ラーメンのスープを飲み干せても飲み干せなくても時間は進む。わからないことだらけの濁流のなか、泳いだり流されたりして最後は身体も心も動かなくなる。