10年先を思い出して。

日々のつなぎ目

7月16日_カフカの魅力

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カフカの小説を読み始めたのは2016年。適応障害になって仕事を半年間休職したことがきっかけだった。

『変身』から『城』『審判』など、Kindleで0円で読めるタイトルを読みあさった。どの作品も、まるで変な夢の中にいるような雰囲気がある。普通はこう思うはずなのに、なぜか主人公は読者が共感しにくい行動をとったりする。ページをめくってもめくっても、つねによくわからない感じがあって、この行間の違和がカフカ独特の魅力だと思う。

 

いま読んでいる『アメリカ』もまさにそう。やはり出たか、と思ってしまう理不尽な展開がひろがっている。これだからカフカの小説はたまらない。

 

俳優のリリーフランキー氏は「こんな腐った世の中で気が滅入らないでいられるわけがない」と言っていた。どこで暮らしていても、この社会はイヤなことがたくさんある。蚊に刺されたところに爪を立ててバッテンにして、かゆみを痛みでかき消すことがあるが、あれと同じだ。

 

こんな腐った世の中では気が滅入るので、それより少し強めの理不尽さの吹き荒れる暴風雨にわざと当たりに行く。そうすると、少し生きやすくなる気がする。僕が憂鬱なときほどカフカの小説に手を伸ばすのは、きっとそういう理由があるからなんだろう。