10年先を思い出して。

日々のつなぎ目

3月29日

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いつのまにか桜が満開で、地面はピンクのモザイク画になっていた。

お気に入りのオリーブ色の革ジャンと革靴を履いて散歩を楽しんでいたけど、途中で雨が降ってきたので帰宅した。

 

オリーブ色の革ジャンも黒い革靴も、どちらも古着屋で拾った。

革ジャンは裏地が少し破けていたので値下げされており、4000円で買えた。モノ自体はとても良くて、新品ではないからシワも入って着心地がいい。触り心地と匂いが好きだ。

黒い革靴はツヤがあり、歩くとカカトから濃い足音がなる。足に馴染んできて、こちらも気に入っている。

 

物も人も、出会ってから徐々に近づいていく。フィットしていけば嬉しいが、どうしても馴染まないこともある。

 

出会いと別れ。これは世の中の真実だ。

出会ってしまうと、あとは一緒に居続けるか別れるかの2択しかない。一緒に居続ける場合でも、物にも人にも寿命があるからいずれ別れることになる。

 

別れて辛いとき、はじめから出会わなければ良かったのにと思うことがある。でも、それは認めたくない。認めてはならない。その思考の果ては「生まれなければ良かった」になるからだ。

出会ってもいない場合は、知らないだけでとても辛いことかもしれない。出会っていれば...と空の上で悔やんでも、同じ人生はやり直せない。

 

出会いと別れは人生の中では避けられない。出会っても出会えなくても、どちらも最終回は決まっている。それでもなお出会いたい、一緒に過ごしたい。そういう物や人と出会えたなら、それはとても幸せなことだろう。

 

私たちはいつか、この世界から強制退場させられる。それまでは出会いと別れが繰り返されるが、得られた幸せは一時的であってもホンモノだ。

たくさんの幸せを感じて心に抱きつつ、いつか死ぬしかないこの人生を歩きたい。