今日は散歩した。
河川敷の上を吹く風は気持ちよかった。砂利道を歩いたとき、石を踏む音が思い出の音として耳に刻まれた。
引越しのための荷造りがほぼ終わった。今まで物があった場所にスペースが生まれ、白い壁が剥き出しになった。その白い壁を背景に、これから知らない場所へ行くというワクワクする気持ちと、ガラリと変わる環境変化に対する不安が生まれた。
上の写真はよく歩いた河川敷。ほとんど1人で歩いたが、ごく稀に彼女と歩いた。記憶の中で、風に揺れるキレイな髪が見える。ツヤがあって、柔らかい髪は素敵だ。花を見つけるとスマホで名前を調べていた。「見てみてー」と、撮った写真を出してこっちを向く。楽しそうにしている姿はいつも僕に安らぎを与え、その瞬間を生きる喜びで満たしてくれた。
僕は、そんな彼女がとても好きだった。
