10年先を思い出して。

日々のつなぎ目

11月8日_枯れ木

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布団に入っている。頭上に見える風景を撮った。

 

先ほどまでバーにいた。

すぐ左の壁に恋愛もののテレビが流れている。あまり好きでない。自分と違いすぎる世界。光が強すぎる。彼らの存在がまぶしすぎた。

 

昔、仕事で接待を受けたのを思い出す。

麻布十番にある寿司屋さんに連れていってもらった。そのときとまったく同じ感覚だ。住んでいる世界が違いすぎて、そのコントラストに心は焼け焦げてしまった。 素晴らしいサービスと、内装と、寿司職人がいるというのに、ものすごく居心地が悪かった。

 

陰翳礼讃。

煌びやかで、元気な人がたくさんいて、楽しんでいて...そういう場所にいたくない。もっと静かな、薄暗い時間を過ごしたい。いまは特にそんな心情だ。元気なときは馴染むことができる、と今ここに書こうと思ったが、実は元気なときなんてなくて、ちょっとムリして合わせる気力があるときとないとき、その2種があるだけなんじゃないか。

 

自分ってこんな人間だったっけ、って思ったりする。確かにガヤガヤするのは昔から苦手だったけど、それでも人並みに元気があったり、会話して楽しんだりしていたと思うけど。いまはただ、葉を全部落とした枯れ木みたいな状態だ。命に力強さがない。

 

バーの帰り、夜空にはたくさんの小さな穴が開いていた。この星たちの輝きくらいがちょうど良い。